大手格安プランの導入とMVNOの淘汰
通信事業の環境は、ここ10年で大きく変化しました。
NTTドコモ、au(KDDI)、Softbank(旧Jphone)大手3社の寡占状態だった業界に風穴を開けるべく登場したMVNO(格安通信事業会社)。
独自のノウハウと、戦略で、大手よりもはるかに安い月額使用料をウリに、利用者を獲得してきました。
その業態をまねて、新たなMVNO業者が参入をし続けることになりましたが、ここ数年で事業者は大きく淘汰されてしまうことになります。
理由は大手(キャリア)が、独自の格安プランを導入し始めたことで、規模の小さい事業者が撤退せざるを得なくなったことが一つ上げられます。
大手3社(現在楽天含め4社とも)は、格安プランに加えて、自社の回線を使用するサブブランドを立ち上げることで、両事業へ積極的に参加していく姿勢を見せているのです。
(KDDI→UQモバイル、ソフトバンク→Y!mobileなど)
また、異業種からの参入を促すため、様々な支援やサービスが行政から行われています。
そのため、多くの企業がこの業態に参入することになり、競争が激化しています。
さらに他社との差別化を図るために、利用料金を安くしなければならず、利益につながらないことから、撤退する企業が相次いでいるといった現状です。
NTTドコモユーザーとしての選択枝
NTTドコモは旧電信電話公社の民営化に伴い、1985年にNTTの一事業部として設立されました。その後、日本初の携帯電話を販売するなど、日本における携帯端末事業のパイオニア的存在であり、2023年現在でも、国内8000万人の契約者を有する日本最大の携帯電話会社です。
その長い歴史に培われたノウハウと、旧電電公社から引き継いだ通信網でユーザーに安定した通信環境を提供できる点が強みです。
私は携帯端末を使用してから今まで、ドコモユーザーなので、今回はドコモの格安プランから、ドコモの回線を使用しているMVNO事業者に焦点を当ててみたいと思います。
もちろん、乗り換え等が億劫でない方は、auやソフトバンクなど、ドコモにはない独自のプランやサービスを提供して、乗り換えを推奨していますので、併せて参考にしてみるのがいいと思います。
現状把握
NTTドコモのスマートフォンプランは、2023.6時点で下記の通り
・ギガホ プレミア(月20GBまで使い放題。月/7920円)
・ギガホ ライト(月7GBまで使い放題。月/5400円)
・ギガライト(月3GBまで使い放題。月/3900円)
(その他、シェアパック、はじめてスマホプランなど)
私の場合、会社への通勤時や、休憩時間などで通信を使用することで、月10GBは必ず超えますが、上限までは達することはほぼありません。(家ではWiーfiがつながるので)つまり、
月10GB~20GBの使用ができる料金プラン
を検討していきます。
結果は以下の通り
・ドコモの格安プラン「ahamo」
・OCNモバイルONEへの移行
ドコモの格安プラン「ahamo」
「ahamo」は、ドコモが通常プラン以外で提供を始めた格安スマホプランです。
特徴は以下の通り
・月額2970円で20GBまで使用可能。
・ドコモが提供しているため、回線環境が安定している。
・引き続きドコモとの契約になるため、各種手続きが容易。
なんといっても破格の使用料金が目を引きます。
通常プランの「ギガホ プレミア」が月/7920円なので、ahamoに切り替えることで
5000円弱も抑えられる計算に!
また、引き続きドコモ発行のSIMカードを継続利用するため、携帯料金合算や、機種変更時のdポイントも利用できます。
しかしながら、通常プランにて受けられた一部割引プランが使用できなかったり、家族割等が使用できないなど、制約もあります。
また、ドコモショップでの手続きができないので、各種申し込みや問い合わせはネット上で行うこととなります。
ドコモ回線を使用するMVNO「OCNモバイルONE」
NTTドコモのグループ会社である、「NTTコミュニケーションズ」が運営する「OCNモバイルONE」。
ドコモ回線を使用した高速通信と、データ通信量の状況に応じて細かく設定できる料金プランが魅力のMVNO業者です。
ちなみに、ドコモでは、通信事業法の制約から、他社のようにサブブランドを持つことが現状できないため、OCNモバイルONEはドコモのサブブランドという扱いではないようです。
特徴は以下の通り。
・ドコモの回線を使用しているので、全国各地で、安定した高速通信が可能。
・月額料金は1500円~。通話量、通信量に応じて細かいプランがある。
・既定の通信量を超えた場合でも、低速ながら通信の継続が可能。
・携帯端末格安プランなど、サービスが充実。
月額使用料を見てみると、ahamoが20GBまでか、それ以上の二パターンしかないことに比べて、OCNモバイルONEでは
・500MB/月(月額1500円)
・1GB/月(月額2000円)
・3GB/月(月額2500円)
・10GB(月額3500円) ・・・(2023.6時点)
と、使用量に応じた細かなプランが提供されています。
月々の通信量をあまり使用していない利用者では、前述のahamoよりも月額料金が安くなります。
自宅や職場にWi-Fiがある場合や、サブの端末の契約時には最適かもしれません。
仮に通信量をオーバーしてしまった場合でも、200kbpsの低速通信モードで通信することが可能なので、全く使えなくなってしまうという心配はないようです。
ただし、ahamoでも通信量を超えた際に低速モード(1Mbps)での通信が可能なことを考えると、月々の使用状況を踏まえたプランの選択をする必要がありそうです。
ここで現在の状況を踏まえると
・月10GB~20GBほどの通信量を使用する。
・通話はほぼない。
・家族割等の適用がない。
・ネット上の手続きに抵抗がない。
以上の点を踏まえると、自身に合った「ahamo」に乗り換えることにしました。
仮に、通話を日常的に使用している状況であったならば、
ahamo→月額1000円で国内通話かけ放題(5分かけ放題プランも)
OCNモバイル→月額500円で国内通話かけ放題
も検討の対象となるでしょう。
様々なライフスタイルが混在する現代。
それに合わせて、各社も独自のプランを次々に打ち出してきています。
自身のライフスタイルに、今の契約内容は合っているでしょうか?
ぜひ、自身の生活状況を踏まえて、スマホの料金プランも見直してみてください。