― キャラクターが急に生き始める瞬間 ―
前回は、物語の簡単なプロットを三行で作ってみました。


荒廃した小国。
盗賊の少年レイ。
滅びた王国の王子ユリウス。
ここまででも物語は成立しそうです。
でも、どこかまだ「よくある設定」にも感じます。
そこで今回は、AIにこんな質問をしてみました。
キャラクターに「ギャップ」を追加して、
物語を少し意外な方向に広げられますか?
すると、いくつかの発想が出てきました。
その中から、面白いと思った要素を自分なりに組み合わせてみました。
■追加したギャップ設定
まずユリウス。
王子で礼儀正しい……という設定はそのままですが、
実はすぐにべそをかく、お坊ちゃん気質という性格にしてみました。
気品はある。
教養もある。
でも痛いと泣くし、怖いと顔に出る。
一方のレイはというと、
喧嘩慣れした怖いもの知らずの少年。
しかしここにも一つだけ弱点を追加します。
蛇が怖い。
人は殴れる。
刃物も怖くない。
でも蛇を見ると固まる。
この小さな弱点だけで、キャラクターに急に人間味が出てきました。
■二人の距離が縮まる出来事
物語の途中で、こんな展開を入れてみます。
肉体労働が苦手なユリウスを、
最初レイは「役立たず」と馬鹿にしています。
ところがある日、奴隷商人の暴力がレイに向けられたとき、
ユリウスが思いがけない行動を取ります。
レイを庇ったのです。
力は弱い。
戦えない。
それでも前に出た。
この出来事をきっかけに、
二人の距離は少しずつ縮まり始めます。
■さらに大きな秘密
そして物語の後半。
ユリウスは自分の正体を明かします。
彼は滅びた王国の王子であると同時に、
蛇人と呼ばれる一族の末裔だったのです。
その証拠のように、
口元からちらりと覗く細い蛇の舌。
それを見た瞬間、レイの顔は真っ青になります。
なにしろ、
彼は蛇が大の苦手だからです。
それでもレイは逃げません。
怖い。
でも置いていけない。
この「恐怖」と「友情」のねじれた感情が、
物語を前に進めてくれる気がします。
AIがくれたのは、アイデアの種でした。
でも、その種をどう組み合わせるかは自分次第。
こうしてプロットを少しずついじっていくと、
ただの設定だったキャラクターが、
急に動き出す瞬間があります。
次回は、
レイとユリウスが出会う最初のシーンを書いてみようと思います。
砂塵の街で、
盗賊の少年と、泣き虫の王子が出会う瞬間です。