先日、東京レプタイルズワールドで出会った、アメリカ原産のタイガーサラマンダー。
のんびりしていて、どこか間の抜けた姿が印象的です。
飼育下であれば10年以上は生きる、というタイガーサラマンダーをお迎えするにあたり、まずはこの生体について、いろいろと調べてみました。
オビタイガーサラマンダー
・トラフサンショウウオ科トラフサンショウウオ目
・生息地:北米およびメキシコの森林や、半砂漠地帯
・大きさ:20-25cm※大きいものは30cmになるものも
・寿命:10年~30年
そう、このタイガーサラマンダー、20年強も寿命のある、とっても長生きな生物だったんです。
飼育において絶対に守るべきこと
長生きする生き物だからこそ、飼育環境には十分注意を払いたいものです。
ネットでよく見るのはテラリウムという、水槽の中に草木、水場を設けて、小さな生態系を形成し、その中で飼育するという方法ですが、予算が足りません。そこで、簡易的な水槽で飼育する方法を調べたところ、下記の点に気を付けなければならないことが判明。
・水場は必ず設け、常にきれいにしておく
タイガーサラマンダーに限らず、ほとんどの陸棲両生類は、皮膚から水分を補給します。
水はすべての生き物の命の源のため、水場は必ず設けます。
その水場も、排泄物で汚染されてしまうと、様々な感染症を引き起こしてしまうため、毎日こまめに水の入れ替えをする必要があります。
・隠れ家を準備する
タイガーサラマンダーは夜行性で、昼間はほかの生き物の巣穴に潜んでいます。そのため、身を隠す場所がないとパニックになってしまい、環境の変化で体調を崩してしまうことが多いそう。
特に飼育環境が変わることは、生体にとっては非常にストレスのかかる状態なんだとか。
早めに身を落ち着けるような、隠れ家を提供してあげることが大事なんだそうです。
・えさの量は、必ず守る
両生類は消化が非常に遅い生き物です。そのくせ、慣れてくると、餌は与えるだけ食べてしまうそうです。
結局、消化不良を引き起こして亡くなってしまうケースが、非常に多いとのこと。
適量を決まった期間で与えることが、両生類の飼育では非常に重要です。
選択肢のあること
・生き餌と人口餌の選択
今回お迎えした子は、野生で生まれた種類なので、当然ながら、餌はミミズや昆虫などの生き餌を食べていました。しかし、生き餌は見た目とコスト面がネックなので、この子には人口の練り餌に慣れてもらうことにしました。幸いにもこの種類は、動くものなら何でも食いつく習性が強いので、人口餌付にも比較的容易になれてくれるとのこと。生まれた環境の味覚を変えてしまうのは悪い気もしますが、慣れてもらいましょう。
・床材
テラリウムで飼育している方は、水場や植物が自然に近い形で設置されているため、生息域とほぼ変わらないような環境で飼育することができているようです。しかしながらテラリウムを組む予算もないので、床材を敷いて、必要最低限の設備で飼育することにします。
床材は様々な意見があり、どれが正解とは言えないようですが、今回はツノガエル用のソイルを薄く敷き、その上に水で濡らした干し草をセッティングします。
水にぬれた干し草が、水槽内の湿度を適度に保ってくれるようです。
また、ソイルと呼ばれる、黒い粒上の床材には炭が含まれており、排泄物などの汚れを吸着し、生体への影響を最小限にとどめてくれる効果があるそうです。
ただし、この効果には限りがあり、定期的にソイルは水洗い洗浄してあげることが、大事とのことです。
水槽環境の悪化は、その中に住む生体にとってはまさに死活問題。排泄物は、常に取り除いて、清潔な空間で過ごしていただきます。
飼育水槽の完成
以上を踏まえて、作成した水槽は下記の通り。
なんとなく北アメリカの森林地帯をほうふつとさせるようなレイアウト・・?
これは飼い主の自己満かもしれませんが・・
肝心かなめのタイガーサラマンダーを入れてみると、パニックを引き起こしているようなそぶりで壁伝いを行ったり来たりします。
「もしかして、隠れ家が気に入らないのでは・・?」
と思い、生体に隠れ家をかぶせてやると、落ち着いた様子。
どうやら入り口がわからなかったようです(笑)
新しい環境に「慣れてもらう」
環境が変われば、様々なことが手探り状態で、ストレスがたまるのは人間とておなじこと。
この子にも、2-3日この水槽内で環境に慣れてもらうことからスタートします。
(飼い始めは、餌を与えることよりも、むしろ環境に慣れさせることが大事だそう)
ちょっかいを出したい気持ちを抑えつつ、遠くから見守ります。
次は、人口餌に慣れてもらうことが目標です。
もう一つ、重要なことが一つ。
名前を何にするか、ということですが、パッと見た時から、頭部が
「ひたし豆(長野県の伝統料理)に似てるなあ」
と思っていましたので、なまえは「おひたし」としました。
おひたしくんと長い付き合いができるよう、頑張ります。