九州発の「甘いお醤油」

料理のさしすせそ、という言葉があります。日々の調理の際に欠かせない調味料を示す言葉です。そのうちのせ、にあたるのがせうゆ→醤油です。

醤油の起源は古く、中世にまで遡ります。中国大陸から伝来した特別な味噌の上澄み液を、現在の和歌山県にあたる紀州の人々が研究をかさねて出来上がったのが醤油の始まりと言われています。

江戸時代に入ると、醤油の量産化が進み、当時の人々の食卓には欠かせない調味料となっていきました。

さて、関東地方に住む人達にとって、醤油とは「とても塩辛いもの」というイメージが定着していますが、九州をはじめとする一部地域において醤油は「甘いもの」なのだそうです。そこで今回は甘くて美味しい醤油を選定して、ご紹介していきたいと思います。

意外と多い、甘口醤油

実は日本海側の多くの県においては、甘口醤油というのはとってもポピュラーで、スーパーに多くの甘口醤油が並んでいる地域も多いのだとか。中でも九州地方の甘口醤油は独特で、ドロリとして甘味料たっぷりの醤油が当たり前のように消費されている土地柄です。

鹿児島で創業100年余、横山醸造のカネヨ醤油

九州の中でも鹿児島の甘口醤油は、独特で、そのとびきり甘くてコクのある味わいは、多くのファンの心を掴んでいます。九州の多くの地域では、とれたての魚を新鮮なうちに食べる、という食文化が根付いていると言われます。新鮮な魚はどうしても醤油を弾いてしまいます。更に旨味が乗り切る前に食べてしまうため、粘度があって、コクのある甘口醤油が好まれる傾向にあります。

この醤油を突き詰めて、独自の製法で現代に伝えている醸造所の一つが鹿児島のカネヨ醤油です。

母ゆずりと銘打たれたこの濃口、薄口の醤油の甘さは想像以上とのこと。さっそく注文してみます。

スタンダードな濃口醤油、そのお味は

届いた醤油をさっそく味わってみます。ドロリとした醤油が皿に注がれると、独特の香りが鼻に広がります。スーパーで仕入れた半額の刺し身をつけて食してみると、これは新感覚!旨味がプラスされて普段の醤油よりも美味しく感じられます。最初のうちは甘さがどうしても気になりますが、食べていくうちにこれが病みつきになっていくのがわかります。ツンと辛いわさびとの相性も抜群です。

調理の際の味付けもこれ一本!

パッケージの側面に乗っているおすすめ料理として肉じゃががあげられていました。肉じゃが大好きな自分としては、これは作らねばなりません。

醤油自体の色が濃いため、なかなかヘビーな肉じゃがのようになりましたが、味はいたってマイルド。舌がヒリヒリするような塩辛さの代わりに、醤油の香りがじゃがいもや豚肉、しらたきに良い感じで絡まって、これまた美味しい逸品です。これは癖になる予感・・

濃口醤油だけじゃない!鹿児島のカネヨ醤油

カネヨ醤油では、濃口醤油の他に、薄口醤油、おいしい酢、刺身醤油(濃口醤油よりも甘みととろみが強い)、かごしま麦味噌などを販売しています。

カネヨ醤油のお陰で、すっかり甘口醤油の虜になってしまった私。次回の注文時には他の商品も一緒に頼んでみたいとおもいます。